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アイスショーレポートNo.32 ~Fantasy on Ice 2022 in SHIZUOKA~その1

~その1~

愛野駅からほぼ1直線、自然に囲まれた小笠山総合運動公園の高台にあるエコパアリーナ。静岡公演が始まる前から、すごく楽しみなのと同時に、FaOI2022が終わってしまう、という寂しさが日に日に募っていきました。

ロンカブお衣装をまとったゆるキャラ「フッピー」愛野駅にて

 

6月26日(日)大千秋楽公演。寂しさは私たち観客だけではなかったようです。出演者の皆さんもご挨拶で口々に名残惜しいと・・・。中でも宮川大聖さんは感極まって涙声になりつつも、その決意の言葉通り、最高の歌で盛り上げてくださいました。

オープニング 今日も幕開けからものすごい熱気。どの瞬間も、どの体勢も奇跡のようにすべて美しい羽生選手、一挙一動に客席がわきます。と、目の前を颯爽と通り過ぎていくとき、ガバッと衣装の裾をめくった?!西側ロングの客席、悲鳴が上がり総倒れでした。あとでライブ放送を見たら、とってもわっるいお顔をしてました。

レゾン 第2部のラスト、期待と緊張が高まり、会場全体の空気がピーンと一気に張り詰めます。一瞬も途切れることのない大きな渦に強く巻き込まれたかのような感覚に心揺さぶられているうちに、気がつけばリンク中央で羽生選手がフィニッシュのポーズ。終わってしまった。ライトが消えて暗闇から再び明るくなり、肩で息をする彼に、夢中で渾身の拍手と心の中の大歓声を送りました。左隣の娘さんは「記憶がない、記憶喪失」と何度もつぶやき、右隣の方は「一瞬だった」とぼう然としています。

興奮冷めやらず、まだその余韻を消化しきれない客席では、言葉にならない感動を周囲の人と分かち合っています。ふとそのとき、フィナーレの音楽とアナウンスが流れてこないことに気づき・・・そうだ、今日は大楽、アンコールがあった! NAOTOさんがステージに出てきて静かに奏でるバイオリンの音。続いて新妻聖子さんも…。このメロディーは・・・?ダムパリ!羽生選手がカナダに渡って最初に演じたフリー『ノートルダム・ド・パリ』

レゾンの衣装のままステージ後方から現れ、ふらふらっと倒れ込むようにひざまずいて、美しい歌声に呼応する彼は、エスメラルドを想い悲嘆に暮れるカジモドになりきっていました。そのままステージから氷に降り立ち、盛り上がっていく音楽よりもっと狂おしく、壮絶な美しさでものすごい気迫を保ったまま最後のスピンまで演じ切りました。会場全体が、客席も出演者もみんな大きな感動に包まれているのを全身で感じます。対面のロングサイドの方を見ると、涙を拭っている方が多数。もちろん私も、周囲の人たちも…。

複数の登場人物を演じるのが難しい、よくわからないと言っていた17歳の彼、あれから10年。なんとスケールの大きいスケーターに成長したのでしょう。終演後、ホテルのお部屋に帰ってからも、2012年当時のいろんなことがダムパリの音楽とともに次々と思い出されて胸がいっぱいになりました。

ステージ上での新妻聖子さんとのお芝居は、1スケーターの演技なんていうものではなく、舞台俳優によるミュージカルのようでした。新妻さんからミュージカル特有の動きを教わったのか、それともいろんな映像を見てご自身で研究されたのか、いつかそんなエピソードも語ってほしいなと思います。

それから・・・ずっと年上のToshIさんや清塚信也さんとコラボしたときの大きな胸を借りるような雰囲気とはまた違って、少し年下の宮川くんとの指切りやアイコンタクトは、ちょっとお兄さんぶってる感じが素敵でとても可愛かったです。

ところで、少し経ってから気がついたのですが、静岡では、神戸初日のレゾンのあの妖艶さは消えていたように感じました。千秋楽前日の6月25日深夜に放送された関西のテレビインタビューで、レゾンは孤独や葛藤を表現していると言っていました。いつもは「見る人それぞれ感じるままに感じていただけたら」と語るのに珍しいなと印象に残っていたのですが、やはり静岡ではいっそう苦悩がストレートに伝わり、より力強く激しいレゾンになっていたようです。彼のスケートは本当に一期一会、二度と同じものはない。優れた舞台と同じだなぁと改めて感じました。

~その2に続く~ メンバーさんから届いた静岡公演の感想を次にお届けします。

>>>その他のショー・試合レポもぜひご覧ください。アイスショーレポートは2015年のFaOI幕張から書き続けています。