Menu

11日〜忘れない〜

応援メッセージ

関連リンク集

全国エリアオフ会情報

チケットゆづる

11日~仙台うみの杜水族館開館~東北の復興を象徴する期待を受けて

Gold Wingでは毎月11日に被災地に寄り添い、あの日を忘れないという思いを込めて記事をアップしていきます。

・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

日本では2番目に古い歴史があったマリンピア松島水族館が5月10日に閉館、新たな水族館が待ち望まれていました。開業時期は当初、15年春を目指していましたが、震災被災地で進む復旧復興事業の影響で労働者や建設資材が不足しているため、工事は予定よりも遅れました。「うみの杜水族館7月1日開業」(2015年3月14日河北新報)

7月1日、「仙台うみの杜水族館」がオープンしました。コンセプトには「水環境をはじめとする自然の再生を見つめ、力強く未来へ向かう東北」を示すことや「訪れる人々に勇気や活力を感じていただける水族館」「復興を象徴する水族館」として歩んでいく、とあります。
仙台うみの杜水族館公式HP

水族館は津波の被害があった地域にあり、嵩上げされた土地に建設されました。耐震性能が確保されており、万が一の場合には、津波避難ビルとしての活用も考えられています。災害時には屋上と二階展望デッキに計1500人を収容できる設計になっているということです。今後は毛布や食料、水などの備蓄品や無線機などの備えも強化していくそうです。
「うみの杜水族館」建物は津波避難ビルに認定(2015年7月2日河北新報)

2011年3月11日の夜8時頃、娘は、仙台市のアルバイト先から北方向へと同僚の車で帰宅を試みていました。ちょうど水族館の手前付近で、渋滞のために動けなくなったとき、とても怖い思いをしたと後になって聞きました。「車の中に座っていたら、水が道路にどんどん溢れてきて、このままどうなってしまうのか、すごく怖かった」と。津波は次第に小さくなりながらも一晩中、繰り返し繰り返しきたと言います。建物に囲まれている道路は、それまで沿岸に近いということをすっかり忘れさせていたそうです。やはり付近に備蓄品のある避難設備があることは心強いことですね。でも、日頃からの防災意識が何より大切なのだと改めて思いました。
また、松島水族館の飼育員たちは、大きな被害を受けた施設に泊まり込んで泥を除き、復旧のために力を尽くしました。
生き物の命をつなぎとめた(2011年4月22日産経ニュース)

そうして守り抜いた生き物たちは、そのほとんどが新しい水族館に引き継がれています。開館翌日の7月2日に水族館を訪ねました。一つ一つの水槽の前に来る度に、「飼育員の皆さん、よく頑張ってくださいました」「みんな、ここまでよく生き延びてきてくれたね、ありがとう」と語りかけずにはいられませんでした。

展示は大きく「日本の海ー東北の海」「世界の海」に分かれており、自然の海と同時に、海と共に生きる人々の暮らしが大きなテーマとして取り上げられています。最初に足を踏み入れるのはウエルカムホールです。絆をイメージしたリング状の スクリーンに、地域の海、水辺と共に生きる人々の活気あふれる姿が映し出されています。ここから続くトンネルでは、ホヤの養殖を真下から見上げることができます。

280 013ded578a44d97935d97de660a96f048c1a4db023
トンネルを抜けると、三陸の海を再現した幅13m、高さ6.5mの巨大水槽「いのちきらめく うみ」が現れます。

01fafbc67574a5f3a792b1e6f0e03ce788238be591 280

イワシの群れがきらきらと光りながら大きな渦になって泳ぎ、世界三大漁場と言われる豊かな世界に見る人を引き込んでいきます。

3D万華鏡とでもいうような見事な光景に見入っていると、子供達が小さかった頃、奥松島で地引網をしたことを思い出しました。たしかに、同じような魚が網いっぱいに入っていましたっけ。船外機付きの船に乗せてくれた、おんちゃんの声がよみがえります。「ほれ、帽子飛ばされっから、ちゃんと押さえとけよー」。あの浜は、今どうなっているのでしょうか。漁師のおんちゃんは無事だったのでしょうか。未だに沿岸部を訪ねるどころか、思い出すことすらしてこなかった自分に気づかされました。

牡蠣の養殖は、ホタテの貝殻に付いた「種(たね)牡蠣」と呼ばれる稚貝を、いかだから海中に吊り下げて行われます。いかだから垂下されるカキは魚たちの隠れ家にもなり、周辺に豊かな生態系を作ります。

280 013f60c57f3b85c76052b63c4bd874811c01e1ff11

三陸には、豊かな海が戻りつつあると聞きます。そして、沿岸地域には、新しい漁業をつくり出そうとする動きがあります。漁や市場の様子が紹介されているコーナーにリーフレットがあり、「壊滅的な被害を受けた私たちが、今こうしていられるのは、物心両面で多くのご支援をいただいた皆様のおかげです。この経験により失ったものも多くありましたが、その反面で新たに生まれた皆様とのご縁は、わたしたちにとっての大切な宝物となりました」と書かれていました。それは、牡蠣などの海産物と復興状況を届ける「唐桑(からくわ)友の会」の案内でした。沿岸部を直接訪ねなくても、自分にできる関わり方で応援すればいい。そう分かっていても、実際に行動することが大事なのですよね。何よりも、とびきりおいしい気仙沼の牡蠣を味わえるのは嬉しいことです。こちらの水族館では、水産関係者と連携して、三陸の海と人々とのかかわりを紹介していくということです。これからも様々な企画で多くの地域を取り上げ、地域の活性化に貢献してほしいと願わずにはいられません。

屋外では「うみの杜スタジアム」が人気を集めていました。ここでは八景島水族館からやって来たイルカとマリンピア松島水族館から引っ越して来たアシカのパーフォマンスを見ることができます。1階には「うみの杜ビーチ」があり、裸足になって実際に中に入り、地元の海で見られるアメフラシやイトマキヒトデ、ドチザメなどと触れ合うことができます。塗り絵をスキャンしてもらって自作の魚を泳がせることができるバーチャル水槽や、大きなスクリーンに映った自分たちの映像をモバイルで受け取ることができる無料の記念写真コーナーなど、大人にも子供にも、見るだけではない楽しみが用意されています。

仙台うみの杜水族館は、JR仙石線中野栄駅下車(仙台~中野栄駅間は約18分)。12:00〜13:00を除く午前8時45分から午後4時まで、30分間隔で駅からシャトルバスが運行しています。
・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

Gold Wingでは皆様のボランティア体験や被災体験など、東日本大震災を忘れないための記事やエピソード(俳句や短歌、詩などの作品でも可)を募集しています。投稿は お問合せフォーム からお願いします。※お問合せ項目は「7)ホームページについて」を選択してください。